8月2日(月曜)19時より、横浜市鶴見区のサルビア音楽ホールで『近代フランス作曲家による弦楽四重奏曲』と題して演奏会を開催します🇫🇷。
作曲家にとって難易度が高いものと言われる弦楽四重奏曲。ヴァイオリン2台、ヴィオラ、チェロの4人の緻密な構成で音楽が構成されます。ドビュッシーの弦楽四重奏曲(1893年)から啓発されて、ラヴェルは弱冠27歳でこの弦楽四重奏曲を作曲し(1902~1903年)、尊敬する師のフォーレに献呈しています。フォーレの弦楽四重奏曲は死の2ヶ月前に完成した、彼の最後の作品です(1923~1924年)。
作品のタイトルがそれぞれ「弦楽四重奏曲」のみとなっており、ナンバリングされていないのは、3人の作曲家にとってそれぞれ唯一の弦楽四重奏曲だからです。
私が演奏するフォーレの弦楽四重奏曲、とにかく奥が深く素晴らしい曲です。
実は最初に聴いた時はいまいち掴みどころが分からず困惑しました…ですが合わせで4人で対話を重ね分析するごとに、無駄が一切ない、綿密に構成された曲であることに気づいていき、新鮮な驚きがありました。
確かに他の2人の作品と比べて句読点がはっきりしているわけではないですが、息の長い作品であり、内面が渦となり和音で流れていく感覚に、身を任せたくなります。4台の楽器の音域も密で、それゆえに溶け合い、美しい和音となって移ろい、一瞬の光と影を生み出します。なんともたまらないです。
色々書きたくなってしまうのですが、言葉で伝えるには限界があるので、この辺りにしておきます。 詩的で内面的な時間を楽しみにお越し頂けると嬉しいです。 今回は3つのグループが個々に練習をしています。当日他の2つの作品を聴けるのが自分も楽しみです。3人の作曲家の作品と対比して、それぞれの個性も楽しんで頂けると思います。
最後にフォーレ論を記したジャンケレヴィッチの言葉に共感したので引用します。
『彼の音楽の独特の響きは一定の楽器の音色というよりは、むしろ魂の何らかの状態に起因しているのである。それゆえに、何かある特定のものを暗示するのでは決してなく、彼は純粋で普遍的な感情を呼び覚ますのである。しかもその感情の因は音楽以外の何処にも見出されない。』
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~曲目~
フォーレ 弦楽四重奏曲
ドビュッシー 弦楽四重奏曲
ラヴェル 弦楽四重奏曲
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