ストラヴィンスキー『ディベルティメント』曲目解説
- Kanon Kobayashi/ 小林香音
- 5月18日
- 読了時間: 3分
更新日:7月5日
今回は2025年2月24日の演奏会『Esprit~香りたつ音楽~』から、曲目解説を抜粋します。
反響のあったインスタの”ストーリー”での投稿も合わせてまとめます↓
ストーリー性があって弾いていても聴いていても楽しい&そしてチャイコフスキーの引用のため聴きやすいメロディも満載の魅力的な曲です♪
ストラヴィンスキー | バレエ《妖精の接吻》より『ディベルティメント』
Stravinsky Divertimento from "Le baiser de la fée"
解説
ストラヴィンスキーは、19世紀末のロシア生まれの作曲家で、ロシアのバレエ団の音楽を依頼されたところからキャリアがスタートし、気鋭 の作曲家としての評判を高めていきました。
今回の作品はフランスで活躍していたロシア出身のバレリーナが率いる バレエ団のオペラ座での旗揚げ公演のための作品『妖精の接吻』から、作曲家本人による抜粋でのヴァイオリン編曲版です。
ストラヴィ ンスキーはロシアの偉大な作曲家でバレエ音楽の多くの傑作を生み出したチャイコフスキーを敬愛しており、彼のピアノ小品が随所に引用されています。
.......引用というよりかは、チャイコフスキーの曲が「そのまま」のことも....(おそらくここまでリスペクト強いとチャイコフスキーもにっこりしていることでしょう...).

こちらのバレエ公演の映像・音楽が美しいです....
抜粋される前の原曲で、どのように抜粋されたのかわかって興味深いです!
ぜひ下記の解説ご参照しながら動画を見てみてください!
(下記写真はスクリーンショットで引用)
第1楽章:スイスの山奥で子供を連れた母が吹雪の中を歩いていますが、現れ た雪の妖精に付きまとわれ母は凍死、子供は妖精に呪いのキスをされてしまいます。子供は置き去りにされているところを村人に助け出されます。
第2楽章: 1楽章から続けて始まります。子供は時を経て成人し、仲間と狩りに出かけま す。時折顔を出す寂しげなメロディは、亡くなった母を思い出している場面です。
祭りが始まり、楽しく賑やかなスイス の舞曲を婚約者や仲間と踊って祭りを楽しんでいるところに、怪しい占い師が乱入しますが、その正体は変装した例の雪の妖精です🥶

第3楽章・第4楽章: 若者は美しい婚約者と愛を誓うダンスを踊ります...が、婚約者の正体はまたもや変装した妖精で、間違いに気付いた若者は呆然とします。

2度目の妖精のキスを受け、若者は永遠に妖精に連れ去られま す。バレエの見せ場にふさわしく、4楽章の形式は若者ソロ、妖精(婚約者の変装)ソロ、2人のデュエットの形式です。
