先日、無事私のリサイタルを開催することができました。
感染拡大の状況も、どのように感染対策を講じればお客様に安全に聴いて頂けるか、気象条件…など、開催までに多くの心配ことがありましたが、当日、感染対策下の上限いっぱいまでのお客様にお越しいただけた光景を見ただけで、感無量でした。
当日のアナウンスでもお話ししたことですが、このような、感染拡大が常に社会の不安としてあって、皆が我慢を強いられるような辛い状況だからこそ、演奏会を開きたいと思いました。
今回の選曲のひとつめのテーマは、「なつかしい」としました。
長い自粛期間中で私は、現実を一旦忘れて、過去に目を向けること、思い出に浸っている時にこそ、辛さを忘れて、楽しいひと時を過ごすことができました。
今回の選曲も人生の様々な感情が反映されていたり、作曲家が実際に故郷や旅行先を思い出しながら書いた曲を選びました。
我慢を強いられる時期だからこそ、演奏会の間は、心を自由にしていろんなことを思い出しながら、是非聴いていただきたいと思って演奏致しました。
ふたつめのテーマは、「舞曲」にしました。
そもそも音楽に乗って体を動かすことは楽しいことですし、舞曲の音楽が持つグルーブ感(ノリ、波)も心に元気を与えるような気がします。この発見も自粛期間中のことでした。舞曲が持つエネルギーをお客様に感じて頂き、明日からの活力になるといいなという願いを込めて演奏しました。
やはりお客さんの集中や会場の空気感を感じながら演奏するのは毎回違った感触で、技術的にまだまだだと感じるところもありますが、お客様から、一回きりという生の演奏会の特性を楽しんでいただけた感想を頂き、とても嬉しく思いました。
振り返ってみると、主宰する室内楽団体の9月末の公演、大阪での10月末のリサイタル、そして今回と、大事に大事に計画していた公演を全て無事終演することができました。多くのお客様にお越し頂き、メッセージなどで沢山の応援を頂き、仲間や友人に支えてもらいました。ひとつひとつの出会いや、支えに感謝が尽きません。
今後も温かく見守っていただけると幸いです。
みなさまも、時節柄お体にお気をつけてお過ごし下さい。 Program (詳しい解説は各曲をクリックしてください) エイミー・ビーチ:ロマンス 作品23 R.シュトラウス:ヴァイオリンソナタ
アンコール
マスネ:タイスの瞑想曲